ミニバンのフリをした、マツダのプレマシー
一生涯の伴侶として苦楽を共にしてきた愛車コペン。家族が増えた理由で、10年の営みに泣く泣くピリオドを打ちました。黄昏る暇もない慌ただしい年末、新しい伴侶が我が家にやってきました。その名も「マツダ・プレマシー」。グレードは最上級Lパッケージ。室内広々一応の7人乗りと両側電動スライドドアにクルーズコントロール。
瞬間燃費や外気温がディスプレイされ、果ては信号待ちでエンジンが止まるI-STOP機能搭載なんて、10年前の2シーター軽自動車に乗っていた私にとっては、ハダカ電球の四畳半から太陽光発電の4LDKに住み替えた以上の衝撃。そんなプレマシーですが、今年1月で所有2か月目となりました。
そしてこのプレマシーが、少しだけ曲者であることに気付いたことを綴ります。カテゴリ的には、「ファミリー用ミニバン」として、私も、私の家族もその認識のうえで購入しました。セカンドシートは大人2名がある程度ゆったりと座れます。大柄な男性だと少しきついですが、大抵は足を組んでふんぞり返ることも出来ます。
中央座面を折りたたむと、カップホルダー付きのテーブルが姿を現します。家族で乗ることを考えてか、燃費や走り方に優しい運転になるような採点機能(I-DM)も装備されています。ですがこのプレマシー、ミニバンとしての良い要素は、だたこれけです。ユーティリティは皆無です。ドライバーズシート付近には中途半端な小物置き場しかありません。
セカンドシートに3名フル乗車すると、小物入れはフロントシートのバックポケット以外には無く、カップホルダーすらありません。サードシートは小学校低学年の子供、せいぜい二人が乗れば限界です。また、コストカットもチラホラと見られます。ウォークスルーの割には床からニョキっと飛び出たサイドブレーキ。豆電球の暗い車内照明。
スイッチ類の夜間照明が無く、夜になるとパワーウインドウ等のスイッチ類は手探りしないといけません。60㎞/?なんて、バカ表示する瞬間燃費なんて不要なので、他のところを充実させてほしいと思わせるこの車。いざ運転してみると、どうやら本人(プレマシー)の主張は違うように感じます。
この車の良さは、後席の広さやユーティリティの良さでは無く、「走り」です。ミニバンとは思えません。マツダ自慢のスカイアクティブエンジンは非常にレスポンスが良いです。後席でふんぞり返っている方には無縁の話でしょうが、アクセルとステアリングのレスポンスが、実に絶妙な味付けで、フィーリングがとってもいいんです。
足回りのセッティングもよく、硬すぎずにそれでいて国産ミニバンにありがちな、フワフワとした乗り心地ではなく、コーナーでは適度なロールを入れながらも、ググっと踏ん張るような味付けです。過去にインプレッサWRXを転がしてました。比較対象としては車のスタンスが違いすぎますが、どちらの車もドライバーにとっては、楽しく、もっと遠くに行きたくなるような、魅力的な走行性能を持った車だと思います。
しかし、先に触れたように、この車は「ミニバン」です。私も家族を乗せることが多いので、後席が快適に過ごせるように安全運転に務めています。ですが、このプレマシー、家族持ち中年ドライバーをワクワクさせてくれる。まさに「ミニバンのフリをしたスポーツカー」だと思います。
夫の行動に不信感を抱いていたので、原一探偵事務所に浮気調査をしてもらうことにしました。