思い出の中の上賀茂神社
皆様、こんにちは。私も今年で75歳になりました。長い人生を振り返ると、京都の上加茂神社にまつわる思い出がたくさん浮かんでくるのです。今日は、この由緒ある神社のお話を、私の経験も交えながらさせていただきます。
上賀茂神社、正式名称を賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)と申します。京都市北区上賀茂本山にございまして、私が子供の頃から、京都に住む者にとっては特別な存在でした。式内社の名神大社、山城国一宮、二十二社の上七社の一つとして、昔から大変格式の高い神社なのです。
私が物心ついた頃、まだ戦後間もない時期でしたが、上賀茂神社はすでに官幣大社という高い社格を持っていました。今では神社本庁の別表神社ということですが、当時の私には難しくて分かりませんでしたね。ただ、1994年にユネスコの世界遺産に登録されたと聞いた時は、本当に嬉しゅうございました。
上賀茂神社は、京都で最も古い歴史を持つ神社の一つです。私の祖母が言うには、古代の賀茂氏というお家の氏神様だったそうです。下鴨神社と一緒に「賀茂社」と呼ばれるんですよ。平安時代には、都を守る大切な神社として崇められていたんだとか。今でも毎年5月に行われる葵祭、あれが賀茂祭なんですね。若い頃、友人と一緒に見物に行ったのを覚えています。
主祭神は賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)様。創建のいきさつについては諸説あるようですが、神武天皇の時代に神様が降臨されたという言い伝えがあるそうです。また、玉依日売(たまよりひめ)という方が不思議な矢を拾って身ごもり、そこから生まれたのが賀茂別雷命だという話も。昔話のようで、何だかロマンを感じますね。
平安時代に都が京都に移ってからは、皇居を守る神社としてますます大切にされたそうです。807年には最高位の正一位を受けたんだとか。私たちの先祖は、本当に上賀茂神社を大事に思っていたんですね。
江戸時代の1628年には大規模な整備が行われたそうです。明治時代になってからも、官幣大社の筆頭として扱われていました。1934年、私が生まれる少し前ですが、室戸台風で大きな被害を受けたそうです。でも、戦後もしっかりと守り継がれてきました。
境内には明神川が流れていて、とても美しいんです。南側には昔の社家町が、北側には御阿礼祭の時に斎王様が入った神館の跡があります。ただ、戦後にゴルフ場ができてしまって、少し寂しい思いをしたこともありました。
上賀茂神社の本殿と権殿は国宝に指定されているんですよ。1863年に再建されたものだそうです。他にも重要文化財の建物がたくさんあって、江戸時代の建築がよく残っています。若い頃はあまり気にしませんでしたが、年を重ねるにつれて、こういった文化財の大切さが身に染みて分かるようになりました。
お祭りもたくさんあって、1月の白馬奏覧神事や武射神事、2月の幸在祭、5月の賀茂競馬や葵祭、9月の重陽神事・烏相撲、11月の相嘗祭など。若い頃は友達と一緒によく見に行ったものです。今でも、季節ごとのお祭りを楽しみにしています。
文化財も豊富で、国宝の本殿と権殿以外にも34棟もの重要文化財があるんです。美術品や天然記念物、史跡なども多くて、見どころがたくさんあります。
上賀茂神社へは、地下鉄の北山駅から歩いて25分くらいです。バスも通っていますし、車でお参りする方のために駐車場もあります。昔に比べると便利になりましたね。
最後に、神社巡りがお好きな方に「神社の杜」というHPをお勧めしたいと思います。上賀茂神社のことも詳しく載っていて、私のような年寄りにも分かりやすいんです。お参りの前に見ておくと良いでしょう。
上賀茂神社は、長い歴史と文化が息づく大切な場所です。私の人生と共に歩んできたような気がします。皆様も、機会がございましたら、ぜひお参りになってみてください。きっと、心が洗われるような素晴らしい体験ができると思います。私も、元気なうちにもう一度お参りしたいと思っています。